2013年3月2日土曜日

TPPよりASEAN提唱のRCEP(アールセップ)に加盟を

TPP(環太平洋連携協定)は Trans-Pacific Partnership の略だ。
昔は環太平洋といえば Pan Pacific(パンパシフィック)といっていた。
PPPの方がわかりやすいし覚えやすいのに。

Trans というのは研究社の新英和中辞典によると「~の向こう側の, 他の側へ, 越えて, 超越して, 横切って, 貫いて, 通って, 完全に, 別の状態へ」という意味だ。
つまり、Trans-Pacific とは、太平洋をはさんであっちとこっちといった意味かな。
そういえば、カルト宗教者や超能力者があっちの世界に行くことをトランス状態に入ったとかいったりするな。

TPPはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で2006年に発効し、今もそのままだ。
アメリカなどの7か国(交渉参加国)はこのTPPに新たに加盟したがっている国だ。

私はTPP加盟4か国がみな小さな国であり、そこへアメリカやカナダ、オーストラリアなどが加盟しようとしていることに大きな違和感をもっていた。

大きな国に負けないように小さな国が力を合わせて経済的に発展しようとしているのがTPPなのではないか。
そこへアメリカなどが入ってきたら意味がなくなるのではないか、といった思いだ。

今回はじめてWikipediaでTPPを見たのだが、TPPの目的は「加盟国間で、域外に対する競争力を強化するために、自由競争の妨げとなる関税や非関税障壁を撤廃し、経済的な国境をなくすことを主柱としている。目的の一つは、『小国同士の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること』である」と書いてある。

私の理解はそうまちがってはいないと思った。
アメリカなどの大国が入っていないからこそ価値があるTPPなのだ。

このあたりのことを原加盟4か国がどのように評価しているのか報道を目にしていない。
私のまったくの曲解かもしれない。

中南米諸国がアメリカの支配から脱却することで主権を確立し、国を富ませ、その富を国民のために生かす道を歩んでいる。
そしてその努力が実を結びつつある。

アジアではアメリカ中心のSEATO(東南アジア条約機構)が1977年に解散して以来、ASEANが平和的に域内の発展をめざし、大きな成果を上げている。

中南米もアジアもアメリカの支配を脱してこその平和であり、民の幸せだ。

ところで、TPPという略語はすっかりおなじみになってしまったが、この前赤旗日曜版を見ていてRCEP(地域包括的経済連携)というものをはじめて目にした。
赤旗日曜版2013.2.24付 本文は末尾にテキストで
RCEP(アールセップ)はASEAN提唱の経済連携であり、アメリカが参加しないというところがミソだ。
私もよくは理解していないのだが、日本もTPPに加盟してアメリカとの絆(従属)を深めるより、アメリカ追随をきっぱりやめてRCEPに加盟し、アジアとの連帯を深めたらどうだろう。

◆ 南イタリアシリーズ⑳ アオバト(ハト目ハト科アオバト属) ◆
2012.12.30撮影 アグリジェント
友人の鳥博士もこの写真だけでは断定できないがアオバトが近いかもしれないとのこと。南イタリアシリーズはこれで終わり。暖かいとはいえ冬であり、野草の花も多くはなかった。なぜか鳥もあまり見なかった。もっとも印象的だったのはオキザリス(カタバミ)。カプリ島のウミネコも忘れないよ。


ASEAN提唱の経済連携 交渉はじまるRCEP
米国主導のTPPと違う手法


 米国が加わる環太平洋連携協定(TPP)の交渉が難航するなか、南アジア諸国を中心に昨年末から、別の経済連携構想の交渉が始まっています。米国が参加しない「地域包括的経済連携」(RCEP=アールセップ)です。どのような内容でしょうか―。    豊田栄光記者

 RCEPは一昨年11月、インドネシアが主導するかたちで、東南アジア諸国連合(ASEAN、加盟10カ国)首脳会議で打ち出されました。交渉参加国はASEANと日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの計16か国。昨年11月、16カ国共同で交渉開始を宣言しました。
 このとき「交渉の基本指針」も決定。農産品など保護したい品目は特別扱いできるという柔軟性を認めました。「参加国の個別かつ多様な事情を認識し…特別かつ異なる待遇」を容認しています。
 タイ最大手バンコク銀行の最高経営責任者(CEO)もタイ英字紙ネーション(1月7日電子版)で、「RCEPの大きな強みは柔軟性にある」と指摘しています。

 世界最大の規模

RCEPには中国とインドも含まれるため、その経済規模は世界最大。世界人口の49.1%、世界の国内総生産(GDP)の28.4%、RCEP域内の貿易比率は44.2%(2011年)を占めます。
中国とインドのRCEP交渉参加は、ASEAN諸国に期待感を生んでいます。この2カ国はTPP交渉には参加していません。
 TPP交渉参加国のマレーシアのムスタパ通産相は昨年11月、「わが国の貿易の70%はRCEPメンバーとのもの。RCEPの実現で、さらに増加が期待できる」とのべました。
 マレーシアの最大貿易相手国は中国です。構成比は輸出で13.1%、輸入で13.2%(11年)を占めています。前年比の伸び率は輸出13.9%、輸入13.8%を記録しています。貿易相手国の2位はシンガポール、3位は日本、米国は4位です。
 TPP交渉参加国シンガポールのリー首相は、RCEPの交渉開始が宣言される4カ月前の昨年7月にインドを訪問。「RCEPはより利益になる枠組みだ」と説き、RCEPへの「(インドの)積極的な参加」を呼びかけました。

 TPPに警戒感

 TPP交渉への参加に前向きなタイでは、世界貿易機関(WTO)事務局長を務めたスパチャイ元副首相が、TPP反対の強力な論陣を張っています。
 同氏は、タイとASEANはTPPではなくRCEPに集中すべきだと主張。その理由の一つを「タイがTPPに飛び込めば、タイの国民皆保険制度の運営はできなくなるだろう」と説明しています(バンコク・ポスト昨年11月21日電子版)。タイでは02年に国民皆保険制度が確立しました。

 「世界が変わる」

 ASEANには、米国が地域の経済秩序を主導することへの警戒心があります。RCEP「交渉の基本指針」は、「新たな地域的経済構造でのASEANの中心性」を明記しています。
 大国ではなく、ASEANを中心に地域の経済秩序を打ち立てたいとの願いが、RCEP推進の一つの背景になっています。それを象徴するのは、インドネシア商業省のイマン通商協力課長の言葉です。
 「RCEPが実現すれば、世界経済の構図が変わる。米国を中心とするTPPに対抗するものになるだろう」(日本貿易振興機構=ジェトロ=作成『東アジアの地域包括的経済連携(RCEP)をどうみるか』)
 RCEP交渉基本指針の「柔軟性」は、「聖域なき関税撤廃」を原則にするTPPとは違います。ただ「柔軟性がある」といっても、各国の食料主権を全面的に認めるか否か、互恵関係が本当に築けるかどうか、まだ明確にはなっていません。交渉に臨む日本政府の姿勢も問われます。

赤旗日曜版 2013年2月24日号

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